5月302011

自然エネルギー発電20%?

投稿者: 23:29:56 カテゴリ:店主ブログ,社会の出来事に

先日のG8にて、菅首相が、「2020年代の早い時期に、自然エネルギー発電を20%達成する。」宣言した。

国際会議の席上で・・・・。
目標を大きく持つことは大切。
昔、ケネディー大統領が「10年以内に、人間を月に立たせ、安全に地球に戻す。」と宣言しアメリカは一丸となり成功させた。
同じ様なチャレンジとも言える。
ケネディーは、国内での宣言だったが・・・。

過去の国内の最大出力は18200万KW。
現状、水力が8%、地熱・風力・太陽光で2%。
つまり、1820万KWが自然エネルギー。
更に、1820万KWの発電が必要となる。

同じ会議で、「太陽光発電を1000万戸に取り付ける。」と宣言した。
これは、全戸数の1/3
1戸あたり3KWとすると、3000万KW
計算上は、宣言に対して十分と言える。

しかし、定格出力が得られないのが、自然エネルギー。
曇ったら、即刻バックアップ電源が必要になる。
その事を考えると、それほどの効果とならない。
更に、電力系統、制御系等の見直し、改善が必要となる。 

それから、各家庭の負担金額を考えると、なかなか厳しい。
3KW程度で、約200万円。
2030年度には1/6にするとも言っているようだが、工事費は下がらないだろうから、下がっても半額?

今のままでは、原子力発電所が受け入れにくい事は理解する。
その代替を、自然エネルギーとするには、なかなか厳しい。
将来的には、電力系統は、スマートグリッドを導入し、それを中心にして構築すると、自然エネルギーも、もっと効率よく使えると考えられる。
しかし、現状では、2020年代に自然エネルギーを20%は難しく、もう少し根拠のある発言をしてほしいものと思うのだが・・・。

しかも、報道もどうかと思う。
どう考えても、電力事情が全く判っていない方までが、
「原子力の代替は、風力がある。」とか平気で述べている。
一般の方を、迷わしている。

冷静に考えて欲しい。
発電量の原子力が30%、火力が60%(石油10%、LNG24%、石炭26%)
「原子力の運転を中止し、CO2問題を少し棚上げし、火力にすれば言い」と言う意見もある。
しかし、石油は45年分、LNGは60年分程度しか残っていないと推定されている。
もう少し、長い目で電源開発を考えなくてはならない。
原子力、火力の様な大容量発電が可能と言われている次世代の技術が、核融合発電。
しかし、実用までに50年掛かると言われている。
しっかり投資し、早期開発を行う必要があるのだ。
(核融合は、”核”と付いているが、放射能がほとんど出無い)

「CO2の25%削減」だの、「自然エネルギー20%」だの国民受けの良い発言を簡単に、国際会議で行う事には問題が大きいと思うのだが・・・。

2件のコメントがあります。

2 件のコメントがあります。

  1. 3歳からの同級生 2011/05/31 8:24:52

    花田屋 様

    小生のような門外漢には、君の意見は非常に参考になります。

    理想と現実の間にはギャップがあるのが常です。
    耳触りのよいことばかり吹き込まれると、判断を誤ります。
    事実は何なのか?現場はどうなっているのか?・・。
    正しい情報の中での判断が大切と思うのは小生だけではないと思いますが・・・。

    ところで、肋骨の具合は如何?

  2. 花田屋 2011/05/31 18:08:09

    3歳からの同級生様

    色々な情報が飛び交う中、正しい情報を知ることは重要だと思います。
    しかし、どれが正しいのか?
    電力事情は、多少接していましたので、正否の判断は付くのですが、放射能となると良く判りません。
    正しい情報が、私も欲しいと思います。

    わき腹の具合は、とりあえず普段の生活の中では痛みは無くなりました。
    くしゃみをするにも、心構えが必要でしたが、それも無くなりました。
    少し響きますけど、痛みとまでいかなくなりました。
    ご心配頂きありがとうございます。

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